あなたは「地方債ってどこの自治体が一番高い利率なの?」と思ったことはありませんか?結論、地方債の利率は0.5%~1.0%程度で推移しており、国債や定期預金より高い利回りを得られます。この記事を読むことで地方債利率のランキングや選び方のポイントがわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.地方債利率の基礎知識

地方債とは何か?県債・市債の違い
地方債は、都道府県や市町村などの地方公共団体が資金調達のために発行する債券です。
国債は国が発行するのに対して、地方債は地方自治体が発行するという点が大きな違いです。
地方債には「県債」と「市債」があり、県債は都道府県が発行し、市債は市町村が発行します。
例えば、神奈川県が発行すれば「神奈川県債」、横浜市が発行すれば「横浜市債」となります。
地方債で調達された資金は、福祉施設、教育施設、道路整備、病院建設など、住民生活に直結する公共事業の財源として活用されています。
地方債の種類と特徴
地方債には主に3つの種類があります。
全国型市場公募地方債(個別債)は、都道府県や政令指定都市が単独で発行し、全国の投資家に広く募集する地方債です。
現在、北海道から鹿児島県まで61団体が発行しており、10万円単位で購入できるものが一般的です。
住民参加型市場公募地方債(ミニ公募債)は、発行する自治体の住民や地域の法人を対象にした地方債です。
市民債、県民債などの愛称で呼ばれ、1万円単位から購入できる場合もあります。
共同発行市場公募地方債(共同債)は、複数の自治体が共同で発行する地方債で、2003年4月から毎月発行されています。
現在37の自治体が参加しており、各自治体が連帯債務を負う仕組みになっています。
地方債利率の決まり方
地方債の利率は、国債の利回りを参考に決定されます。
具体的には、同じ年限の国債利回りに一定の上乗せ金利(スプレッド)を加算して設定されます。
例えば、10年物国債の利回りが0.5%の場合、地方債は0.2~0.4%程度を上乗せした0.7~0.9%程度の利率となることが多いです。
利率は発行条件決定日の直前に、市場金利の動向や投資家の需要を勘案して最終決定されます。
2018年以前は同じ月内に発行される同じ年限の地方債は全て同じ条件でしたが、現在は各自治体が個別に条件を決定する方式に変更されています。
国債との利率比較
地方債の利率は国債よりも高く設定されています。
2024年の実例では、個人向け国債(変動10年)の金利が0.61%だったのに対し、秋田県の10年債は0.933%と約0.3%高い利率でした。
この金利差は、地方債が国債に比べてやや流動性が低いこと、発行体が多様であることなどを反映しています。
仮に100万円を投資した場合、年間の利息収入は国債が約6,100円、地方債が約9,330円となり、その差は3,230円にもなります。
10年間保有すれば、累計で約3万円以上の利息差が生まれる計算です。
地方債の安全性と信用度
地方債は国債に次いで高い安全性を持つ金融商品です。
地方自治体の財政が悪化した場合は新規発行が制限され、元利償還の財源も地方交付税などから確保される仕組みになっています。
過去に日本の地方自治体が発行した地方債でデフォルト(債務不履行)が発生した事例はありません。
格付け会社による評価も高く、主要都道府県や政令指定都市の地方債は「AA」~「AAA」の高い格付けを得ています。
ただし、満期まで保有することが前提であり、中途売却する場合は市場価格の変動により損失が発生する可能性があります。
2.地方債利率ランキングの最新情報

全国型市場公募地方債の利率比較
2024年~2025年に発行された全国型市場公募地方債の利率を見ると、0.7%~1.0%程度の水準となっています。
島根県が2024年11月に発行した5年債の表面利率は0.742%で、9年ぶりに個人向け販売を再開しました。
秋田県の10年債は0.933%の利率で即日完売となり、投資家からの高い関心を集めました。
地方債の利率は発行する自治体によって若干の差がありますが、概ね0.7%~0.9%のレンジに収まっています。
近年の日銀による金利引き上げの影響で、地方債の利率も徐々に上昇傾向にあります。
住民参加型市場公募債(ミニ公募債)の利率動向
住民参加型市場公募債は、2006年度のピーク時には124団体が総額3,513億円を発行していました。
当時は1%を超える利率も珍しくなく、預貯金よりもはるかに高い利回りで人気を集めていました。
しかし、マイナス金利政策の影響で利率が大幅に低下し、2016年には神戸市や千葉市などが発行を休止しました。
2025年現在は金利上昇を受けて再び発行する自治体が増えており、0.5%~0.8%程度の利率で募集されています。
ミニ公募債は地域住民限定で特典が付くケースもあり、施設利用券やイベント招待券などが付与される場合があります。
共同発行市場公募地方債の利率水準
共同発行市場公募地方債は、毎月約4,460億円規模で安定的に発行されています。
2025年の10年債の利率は0.8%前後で推移しており、個別の自治体が発行する地方債と同程度の水準です。
37の自治体が連帯債務を負うため、信用力が高く流動性も相対的に優れています。
グリーン共同発行市場公募地方債というESG投資に配慮した商品も発行されており、環境意識の高い投資家から注目されています。
共同債は毎月発行されるため、投資タイミングを選びやすいというメリットがあります。
年限別(5年・10年)の地方債利率ランキング
地方債の利率は償還年限によって異なります。
5年債の利率は0.5%~0.7%程度、10年債は0.7%~1.0%程度が一般的な水準です。
2024年秋の実例では、島根県5年債が0.742%、秋田県10年債が0.933%でした。
償還年限が長いほど利率が高くなる傾向があり、20年債や30年債ではさらに高い利率が設定されます。
ただし、長期債は金利変動リスクが大きいため、途中売却時の価格変動幅も大きくなる点に注意が必要です。
3.高利回り地方債を選ぶポイント

自治体の財政状況の確認方法
地方債を選ぶ際は、発行する自治体の財政状況を確認することが重要です。
財政力指数、実質公債費比率、将来負担比率などの財政指標をチェックしましょう。
財政力指数が1.0以上であれば財政的に自立しており、0.5未満の場合は財政基盤が弱いと判断されます。
実質公債費比率が18%を超えると地方債の発行に許可が必要となり、25%を超えると単独事業の地方債発行が制限されます。
これらの情報は各自治体のウェブサイトや総務省の「地方財政状況調査」で確認できます。
発行条件と購入条件の読み解き方
地方債の発行条件には、表面利率、発行価格、償還期限、利払日などが明記されています。
表面利率は年間の利息額を決定する重要な要素で、額面100万円に対して0.9%なら年間9,000円の利息が得られます。
発行価格が額面100円に対して99円などの場合、実質利回りは表面利率よりも高くなります。
購入条件では、最低購入金額、購入単位、購入対象者の制限などを確認する必要があります。
住民参加型の場合、市内在住または在勤者に限定される場合があるため、事前に確認しましょう。
地方債購入のタイミング
地方債は市場金利の動向によって有利な購入タイミングが変わります。
金利上昇局面では、新たに発行される地方債の利率も高くなる傾向があります。
2024年以降、日銀の金融政策正常化に伴い金利は上昇傾向にあり、地方債の利率も改善しています。
ただし、人気の高い地方債は即日完売することも多く、募集開始と同時に申し込む必要があります。
地方債協会や各自治体のウェブサイトで発行予定をチェックし、事前に準備しておくことをおすすめします。
ESG債・グリーンボンドの利率特性
グリーンボンドなどのESG債は、環境や社会に配慮した事業の資金調達に特化した地方債です。
利率は通常の地方債とほぼ同水準ですが、2022年の三重県の事例では0.01%低い利率で完売しました。
ESG投資への関心の高まりから、やや低い利率でも需要が高い傾向があります。
グリーン共同発行市場公募地方債は、複数の自治体が共同で発行するグリーンボンドで、通常の共同債と同様の条件で購入できます。
環境意識の高い投資家にとっては、利回りだけでなく社会的意義も重視できる選択肢となります。
上乗せ金利のメリットと注意点
地方債の上乗せ金利(スプレッド)は、国債に対する利率の上乗せ部分を指します。
通常0.2%~0.4%程度が上乗せされ、これが地方債の魅力となっています。
上乗せ金利が大きい地方債ほど利回りは高くなりますが、その分リスクも考慮する必要があります。
ただし、日本の地方債は極めて安全性が高く、上乗せ金利の大部分は流動性の低さを補うプレミアムと考えられます。
格付けの高い自治体(AAA、AA)であれば、信用リスクはほぼないと判断して問題ありません。
4.地方債購入の実践ガイド

地方債の購入方法と購入窓口
地方債は証券会社や銀行などの金融機関を通じて購入できます。
新たに発行される地方債は、その地方債の引受機関(募集取扱機関)で購入することができます。
全国型市場公募地方債は、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券などの大手証券会社で取り扱っています。
ミニ公募債の場合は、地元の地方銀行や信用金庫が窓口となることが多いです。
既に発行された地方債(既発債)を購入したい場合は、証券会社に在庫を問い合わせる必要があります。
購入可能な最低金額と単位
地方債の最低購入金額は、銘柄によって異なります。
共同発行市場公募地方債は額面10万円以上10万円単位が一般的です。
全国型市場公募地方債も10万円単位のものが多いですが、一部の銘柄では1万円単位で購入できるものもあります。
住民参加型市場公募債は、地域住民が購入しやすいよう1万円単位に設定されているケースが多いです。
例えば、横浜市の「ハマ債」や川崎市の市民債などは1万円から購入可能です。
地方債にかかる税金と手数料
地方債の利子には20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。
これは源泉分離課税方式で、利子受け取り時に自動的に差し引かれます。
償還差益や売買益は申告分離課税(20.315%)となり、原則として確定申告が必要です。
ただし、上場株式等の配当金や売買損益との損益通算が可能です。
購入時の手数料は基本的に無料ですが、証券会社によっては口座管理手数料がかかる場合があるため、事前に確認しましょう。
中途換金(売却)の可否とリスク
地方債は原則として中途換金が可能ですが、流動性は国債に比べて低いです。
満期前に売却する場合、市場金利の変動により損失が発生する可能性があります。
金利が上昇すると債券価格は下落するため、購入時よりも低い価格でしか売却できないことがあります。
個人向け国債のような中途解約制度はないため、売却には買い手が必要です。
地方債を購入する際は、満期まで保有することを前提として資金計画を立てることが重要です。
おすすめの証券会社・金融機関
地方債を購入できる主な証券会社・金融機関を紹介します。
野村證券、大和証券、SMBC日興証券は地方債の取扱銘柄が豊富で、全国型市場公募地方債を幅広く取り扱っています。
楽天証券、SBI証券などのネット証券でも地方債の取り扱いがあり、オンラインで購入できます。
地元の地方銀行(横浜銀行、千葉銀行など)は、その地域のミニ公募債を優先的に取り扱います。
購入を検討する際は、複数の金融機関の取扱状況を比較し、手数料や購入条件を確認することをおすすめします。
まとめ
この記事で解説した地方債利率ランキングの重要なポイントをまとめます。
- 地方債は都道府県や市町村が発行する債券で、国債より高い利率(0.7%~1.0%程度)が魅力
- 全国型市場公募地方債、住民参加型市場公募債、共同発行市場公募地方債の3種類がある
- 2024年以降、金利上昇を受けて地方債の利率も改善傾向にある
- 地方債の利率は国債利回りに0.2%~0.4%程度を上乗せして設定される
- 日本の地方債は過去にデフォルトがなく、安全性が非常に高い
- 購入は証券会社や銀行を通じて10万円単位(または1万円単位)で可能
- 利子には20.315%の税金がかかり、中途売却時は損失リスクがある
- 満期まで保有することを前提に、自治体の財政状況を確認して選ぶ
- 人気の高い地方債は即日完売することもあるため、発行予定の事前確認が重要
- ESG債・グリーンボンドなど、社会的意義も重視できる選択肢が増えている
地方債は国債よりも高い利回りを得られる魅力的な投資先です。安全性と利回りのバランスを考えながら、ぜひご自身に合った地方債を見つけてください。
関連サイト:一般財団法人 地方債協会